「愛菜ちゃんは初恋も最近したばかりのピュアっ子だもんね」


「ちょ、しーっ!静かにしてよね!聞こえたらどうするの!」



速水くんの口をおさえながらキョロキョロと辺りを見渡す。


きっと今日も梶くんは見に来ていないんだろうけど、それでも万が一…。



「って、梶くん!?」



少し遠くに夏希ちゃんと一緒にいる梶くんと、目が合った。



「ど、どうしよう、梶くんが私の演技見に来た…!」


「いやーどうかな。俺の演技見に来たとかじゃないの?」


「どうしよう、大根役者だとか思われたら…」


「はは、全然聞いてない。大丈夫だよ、愛菜ちゃんは俺が認める女優だし」