「花火?別にいいけど、あまり遅くならないでね。車で待ってるから」


「うん、ありがとう」



電話を切り、どうしようかと辺りを見渡す。


梶くんは…来ていないのかな。夏希ちゃんなら知ってたりするかな…。



そんなことを考えていると、ふと、人がいなさそうな屋上裏に目が止まった。


もしかして…。



「梶くん!」



思った通り、梶くんが喧騒から少し離れた屋上裏で鞄を枕にして眠っていた。



「…ん?なんでここにいんの?」



梶くんが眠そうにしながら体を起こして、不思議そうに首を傾げていた。