こんな幼なじみがいたら私だったらすぐ落ちてしまうのに。


…って、こんなこと気にしてちゃダメだよね。どう頑張っても幼なじみにはなれないんだから。



「…あの、高城さ…」



夏希ちゃんが何かを言いかけたタイミングでポケットに入れていたスマホが着信を知らせてきた。



「あ、カナちゃん…マネージャーからだ。ごめん、話聞くのあとでいい？」


「あ、ううん、やっぱりなんでもない。いいよ電話出てきて」



夏希ちゃんはぺこっと軽く会釈をして、生徒たちの輪に入っていった。


何を言おうとしたんだろうと少し気になりながら、カナちゃんからの電話に出る。



「愛菜？今どこにいるの？勝手にいなくならないでよね」


「ごめんカナちゃん、今屋上で生徒と花火やってて…」