元から短い映画だったということもあり、物語もかなり終盤に差し掛かっている。



「愛菜ちゃん、屋上で生徒たちが花火やってるんだって。一緒にやりに行かない?」


「え?花火?」



今日の撮影がおわり他の仕事もたまたまなかったため、何して過ごそうかと考えていると、速水くんが上を指差しながらキラキラとした目を向けてきた。



「えー楽しそう!いいよ、行こう」


「よっしゃ、きまり。あ、ちなみにあいつもいたよ」



あいつ、とはきっと梶くんのことだろう。



梶くんとは最近なかなか会えていない。


エキストラはあまり出番がないし、撮影をしているところを見にくる生徒もちらほらいるけどその中に梶くんの姿はいつもないから。


だから今日会うのが久しぶりだった。