もしも、私と梶くんが同級生だったら、こんな日常もあったのかな…。



「こんなところにいたの、絢斗。ノート取りにいくだけでどれだけ時間かけてるの」



夏希ちゃんがちらりと私に視線を向けてきた。



「高城さんに迷惑かけないの」


「…ああ、悪い。撮影前なのに邪魔したな」



夏希ちゃんとそのまま行こうとする梶くんの腕を、気づいたら引き止めていた。



「迷惑とか邪魔とか、そんなこと梶くんに思わないよ!だってその…友達、でしょ…?」



住んでいる世界が違うと突きつけられたみたいで、悲しかった。


私だってできることなら梶くんと一緒に授業を受けたり、ずっと隣にいられたりすることが当たり前のようなそんな存在でいたかったから。