「え?なんで?」


「いいから!」



梶くんは怪訝な顔をしつつも、言う通りに座ってくれた。



「おーい梶くん、授業中は寝ちゃいけませんよー」


「は?」



ツンツンと背中をつっつく私に、梶くんは意味がわからないといった顔で首を傾げている。



「合わせてよ。今、私と梶くんは同級生で授業を受けてます」


「…ああ。てか、どちらかといえば授業中に寝てるのは愛菜の方だと思うけど…」


「な…っ、私はそんなことしないもん!」



あははと無邪気に笑う梶くんを、頬を膨らませながら軽く叩く。