「でも心配よ。明日から大事な映画の撮影が始まるんだから、怪我でもしないかって不安で…」


「だーもうっ!大丈夫だよ、子どもじゃないんだから!じゃあねまた明日!」



これじゃあキリがないとカナちゃんの言葉を遮って、手を振って走る。



一応帽子にマスクもしているから他の人には気づかれないだろうけど、こんな駅前でフラフラとしていたらまたカナちゃんに心配をかけてしまうだろうし言われた通り大人しく早く家に帰ろう。


そしてせっかくの半日オフなのだから家で漫画を読んだりアニメを見たり、ぐうたら過ごすんだ!



「あーちょっとちょっとお姉さん。今暇かな?」



突然目の前にぬっと男の人が現れ、驚いて思わず立ち止まってしまう。



「え、な、なんですか…?」


「今一緒に遊べる子探しててさぁ。もしよかったら遊ばない?」


「いや、遊びません」