スタッフさんに相槌を打ちカナちゃんのところに戻ろうとすると、端っこの席に座っていた男の子とふと目が合った。


それは、昨日私のことをアホと言ってきたあの男の子だった。



「な、なんであんたがここにいるの!?」



大声を出してしまってからハッと我に返り、慌てて男の子の腕を引いて廊下に出る。



「なんで、ここにいるの!?」


「なんでって…俺の高校だから」



あっけらかんと返してくる男の子に、信じられないといった気持ちでぽかーんと口を開ける。



「おまえ、本当に女優だったんだな」


「う、うるさいな!今時私のこと知らないあんたもなかなかに珍しいけどね!?」


「知らないじゃなくて興味ねぇーの。テレビとかあんま見ないし」