「ね、俺にも火、ちょうだい」



「ん」



北村も私と同じ花火をもっていた。


私は北村の花火に自分のを近づけた。



ふたつの光が、私たちを照らす。

空はもう、真っ暗だった。




「わ、色、変わった」



「そーゆう花火なんだよ」



「へー、綺麗」



火花が次々と地面に落ちては消える。


花火の勢いが徐々に弱まって遂には消えてしまうとあたりは真っ暗で何も見えなくなっていた。