「北村の家、誰もいないの?」 気になって、訊いてみた。 人の気配が、しない。 「うん」 「そか」 「花火もってくる」 私は連れられるように庭に入って段差に腰かけた。 「はい、これで火つけて」 「ありがと」 袋から花火を取り出して、ならべる。 その中から赤と黄色のストライプ模様の花火をひとつとって、火をつけた。