「……ぃ。おい!聞いてるのか、児島!」



そう怒鳴る数学教師の声でハッとした。



あれ?今、授業中?



さっきまで休み時間じゃなかったっけ?



そうやって頭の中で考えをぐるぐる巡らせていると、また怒鳴り声が聞こえてきた。



「話を聞いていないってことは余裕だってことだよな?じゃあこの問題、解いてみろ」



これはかなりやばい。



数学なんて話を聞いていてもよく分からないのに



全く聞いていないだなんて、分かるわけが無い。



どうしよう。



しかも数学教師は学校一怖いと言われている福田先生。



恐怖と焦りで冷や汗が止まらない。



きっと私の顔は今頃真っ赤に染っている。



そうして黙り込んでいると視界の隅で誰かが手を挙げるのが見えた。



その手を挙げた主が放った言葉は……