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最初、ステージを見ていた使用人たちは戸惑った顔をしていた。
馴染みのない音楽、馴染みのないダンス。

どうやって楽しめばいいのかわかっていなかったみたいだ。
だけどそれはほんの一瞬のこと。

ワンフレーズを歌い終えるころにはみんなの目がキラキラと輝き出した。
プルーがわんわん吠えて応援してくれる。

パパが立ち上がってリズムに乗って手拍子をしてくれる。
それは会場内にどんどん広がっていって、あちこちから黄色い悲鳴が聞こえ始めた。

「エメラルド様! さすが天使!」
「エレーヌ様だって負けてないぞ! あんなに可愛らしい人だったなんて」

親子で魅せるステージはどこまでも可愛いを追求したもので、ともすればかなりあざといのだけれど、それはこの世界の人たちの心に突き刺さった。

「尊い!」
「キュンです!」
「萌えるぅ!」

なんて、この世界にないはずの言語が飛び出してきたように感じたけれど、それはきっと気のせい。