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太陽が落ちてきたとき、地元の音楽団の演奏とともにパーティの幕が上がった。
「まさか音楽団まで準備するなんてなぁ」

私の足元にいるプルーが呆れた声で言う。

「そんなつもりはなかったんだけど、あれよあれよという間に色々な人が集まって来ちゃったのよ」

音楽団の次には大道芸人たちが控えている。
こんなに盛大なパーティになるとは私だって予想していなかったことだ。

「エメラルド、そろそろなんのイベントなのか教えてくれてもいいんじゃないか?」
そう声をかけてきたのは飲み物を片手に中庭を散歩していたパパだった。

アルコールを飲んでいるようで、その頬は少し赤くなっている。
「まだダメよパパ。最後まで内緒なんだから」

「エメラルドは秘密主義だなぁ」
パパは呆れ顔だけれど、それでもパーティを楽しんでいるようだ。

「それより、ママは?」
「ママならひとりで座ってるよ。なんだか緊張してるみたいだ」