フーリアでもまんざらではなさそうで、普段は血色が悪く青白い顔に少しだけ赤みが指す。
マルセルと同じようにしゃがみこんで、エメラルドと視線を高さを合わせた。

「夕方からパーティを開くの! あたちとママからのサプライズよ!」
両手を広げて大げさに説明するとふたりは目を見かわせた。

「パーティって、今日はなにかの記念日だったか?」
「さぁ……私は覚えていませんけど」

フィーリアは戸惑った表情で答えた。
困惑しているふたりを見て私は胸の前で手を組んだ。

ぷくぷくとした小さな手が可愛いことも、わかっている。
「パーティしちゃダメなの?」

小首を傾げて目に涙を浮かべる。

するとマルセルが慌てて「ダメなんてことはないよ。ただ、なんの記念日だったかと思っただけで」と、言い添えた。

「それはパーティが始まってからのお楽しみだよ! ふたりとも、楽しみにしててね!」
これでこの国の第一王からの許可も取れた。

私は自信満々に中庭へと戻ったのだった。