「サプライズなの!」
「そんなこと勝手にやって怒られないか?」

心配そうな顔になるパパに私はめいいっぱい大きく頷いた。
普通なら勝手なことをしてと叱られてしまうだろう。

だけどすでに使用人たちはこちらの味方についている。

マルセルに文句を言われたとしても、擁護してくれる大人たちが大勢いれば強行突破もできるはずだ。

だからこそ、こうしてまずは使用人たちに声をかけることにしたのだ。

「私はさっそく料理にとりかからないと! エメラルド様が主催ということは、とびきり甘いお菓子も必要ですね」

「うん! ありがとう!」
料理人がいそいそと厨房へ消えていく。

他の使用人たちも持ち場へ戻りながらも夕方を楽しみにしているようだ。
それをパパが心配そうな顔つきで見守っている。

「大丈夫よパパ。なにもかもあたちにまかせて!」
私は自分の胸を拳でドンッと叩いて見せたのだった。