私とママのアイドルコンビがコツコツと努力を重ねている間、伯父のマルセルもコツコツと陰で企てを進めていた。

「最近、城内でのエレーヌの評判が高くなってきています」
マルセルにそう報告をしたのはいつも一緒にいる側近だった。

「なんだって?」
ママを完全に悪役として認識しているマルセルが眉間にシワを寄せて聞き返す。

「なにがあったのかわかりません。ですが、使用人たちの誰に聞いてもエレーヌを悪く言う者はいませんでした」