ふたりとも汗に濡れてベタベタするけれど、それ以上に心地よい疲れが体を包み込んでいた。
レッスンを開始したママの体は以前よりもウエストが引き締まってきて、スタイルも良くなっている。

プルーが言うように、そろそろお披露目してもいい頃だと思う。
ただ問題なのが、どのタイミングで歌とダンスを披露するかだった。

なにもないのに突然城内のみんなを呼び集めるようなことはできない。
みんな、それぞれ忙しいから考えないといけないところだった。

「あら、エメラルド、難しい顔してどうしたの?」
考え込んでしまったことで、つい表情が険しくなってしまった。

私はいつものアイドルスマイルを浮かべて「なんでもないよ、ママ」と、答えたのだった。