「可愛い! 可愛いぞエメラルド! 君はまさに天使だ! 女神様だ!」
うるさいほどに騒ぐパパの背中越しにママを見てみると、ママも頬を赤くして表情をゆるめている。

「こういうダンスを親子でするの。そうすればとっても可愛いでしょう?」
「うんうん可愛い! パパも一緒になってダンスしちゃおうかな!?」

普段は大人しいパパが全力でダンスしはじめるものだから、思わず吹き出した。
「あははは! パパ可愛い!」

お腹を抱えて笑っていると、ママが口元に手を当ててクスクスと笑っているのが見えた。
その笑顔に心臓がドクンッと跳ねる。

あ……ママ、綺麗。
素直にそう感じた。

そうかママは無理に笑顔を作らなくても自然とこんなに綺麗な笑顔を作ることができるんだ。

「ママ。今度使用人たちの前でパパのダンスを思い出すといいよ」
私の言葉にママは笑いを堪えつつ、首を傾げたのだった。