それを払拭するために、白色を選んだのだ。
「髪飾りまで!」

「ママ、髪の毛やってあげるね」
私はそう言うと椅子の上に乗ってママの派手な髪の毛をほどき始めた。

編み込まれた髪の毛はあっちこっちへ引っ張られて痛そうだ。

私がアイドル時代にはすでに編み込みがされているウィッグとかがあったから、こんな風に痛みを伴うことはなかった。

「はい。できたよ!」
シンプルなドレスに似合うように、ポニーテールにして白くて大きなリボンをつける。

派手に着飾らなくてもママはこれだけで十分に綺麗だ。
むしろいらない装飾品がなくなったことで、余計にその美しさが際立ってくる。

「エレーヌ……君は……なんて美しいんだ」
さっそくパパはママを見て頬を染めている。

「あらやだ。なに言ってるのよ」
と否定しながらもママだってまんざらではなさそうだ。

私は足元でシッポを振っているプルーに視線を落としてウインクしたのだった。