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「ママママぁ! これ着てみてぇ!」

自分の体よりも大きな箱を両手にかかえて、中庭でお茶を飲んでいるママにトトトッと近づいていく。
今日のママも完璧なドレスに身を包み、髪の毛は何重にも編み込みを重ねてアップにしている。

城ではこれが日常的な正装になる。
「あら、これはなぁに?」

大きな箱を私から受け取って質問してくるその顔は、フーリアへ向けるそれとは大違いで、目尻が下がっている。

「あたちからママにプレゼントだよ!」
幼女らしいたどたどしい声で返事をすると、箱を開けるより前に抱きしめられていた。

「まぁ! こんなものを準備してくれるなんて、優しくて可愛い子!」

そのまま頬に何度もキスを落とされて「エレーヌ、エメラルドが困ってるぞ」というパパの一言でようやく開放された。