前世の自分はアイドルで、物理的な戦闘能力についてはそれほど強くない。
プルーもアイドル育成を手伝っていただけで、そんな能力が備わっているとは思えなかった。

だけど今目の前にいるプルーは自身に満ちている。

「そうだ。アイドルと、それを育成する俺。そしてエレーヌは城内のどの女性を連れてきても見劣りしないほどに美人だ」

そこまで言われて私は目を大きく見開いた。
プルーがさっきからやる気に満ちて目を輝かせている意味がようやくわかった。

「まさか、ママをアイドルにしようって言うの!?」
「その通り!」

プルーが叫んでクッションの上で何度も飛び跳ねる。
そのたびに抜け毛が部屋中に飛びちったけれど、気にならなかった。

「前代未聞、城内アイドル育成計画だ!」