「エレーヌ殺害を止めることはきっと俺たちには難しい。なんせただの犬と幼女だからな毒をもられれば一発だ」

「プルーが毒見役をしてくれるの?」

「そんなことしたら俺が死ぬだろうが! まぁ、俺は犬だから多少鼻はきく。毒を回避できたとしても、他のことで殺害しようとされたらアウトだ」

「じゃあどうするの? どうやって私達でママを守るの?」
プルーの言う通り、犬と幼女ではあまりにも弱い。

敵が直接ママに手を下してきたとしても、それを傍観していることしかできないだろう。
「そこでだ。見方を変えて考えてみた。要は城内に敵がいなくなればいいわけだろ?」

「まぁ、それは確かに、そうだね」
敵がいなければママの命だって狙われることはない。

だけど本人がフーリアをイジメているのだから敵は多そうだ。
「そこで前世の俺とお前のスキルが役立つんだ」

「あたち達のスキル?」
私は自分で自分を指差して首を傾げた。