「お前の年齢は」

「こ、今度の6月で42になる……。あ、あ、あぁ、娘がプレゼントを用意してくれているんだ、なあ、み、見逃してくれよ」

「そんなことは聞いていない。聞かれたことに対してだけ答えろ。お前は誰に雇われた」

 男性――吉永がうぐりと黙り込んだ。雇い主はよほど恐ろしいのか、それとも恩があるのか。

 霜歌が見定めるように目を合わせたとき――、外に柊都のものではない気配がした。それも大勢――、


 ――12人か。そのうち4人は既に死んでいる。残りは8人。
 霜歌が正確に気配の持ち主の人数を数え終わったと同時に、倉庫のドアが開いた。


「申し訳ございません! 相手は手練れでございます。この人数、俺一人では無理かと!」
「お兄様、手伝うわ」
「では後方を頼む! そうたちはそちらから攻撃をお願いいたします!」
「了解」


 霜歌は持っていた拳銃を濤歌に投げ渡し、自分は袖口からナイフを取り出した。
 そのまま敵の急所に投げ刺していく。横では濤歌がパシュパシュッと同じく敵の急所を撃っていた。


「わお、霜のナイフ、ノーモーションで投げるから、いつどこに行くかわかんないよねぇ」
「無駄口たたいてないでちゃんと撃ちなよ、濤」
「はぁい」