「なにが、言いたいんですか?」
「うん、だからね?いくら今回のアルバイトが爺さんの頼みごとだって言っても、“俺”が彩加ちゃんのこと『もう要らない』って言ったら、キミは援助を受けられなくなって、お父さんの和菓子屋が潰れて困っちゃうねってはなし」
「そんな!」
「結果、実質キミの雇い主は爺さんじゃなくて、俺ってわけ」
だけど、今日。
千瀬垣くんに対する思いが、苦手から大の苦手に変わった。
「だから彩加ちゃんはさ?週に2日だけのアルバイト、なんて言わずに、俺が呼んだらいつだってここに来なくちゃいけないし、俺に要らないって言われないように頑張らなくちゃいけないよってことが言いたかったんだけど……理解してもらえた?」
「そ、そんなのあんまりです!ブ、ブラックです!」
「でもキミのお父さんの和菓子屋が潰れちゃったら、彩加ちゃんどうやって生活していくつもり?いいの?きっと高校も通えなくなっちゃうけど」
「そ、それは……っ」