「いらっしゃい」
今年の夏はお母さんの実家で家族との夏休みを過ごす。
おばあちゃんは去年と変わらない様子で元気に嬉しそうに出迎えてくれた。
木造平屋建てに一歩足を踏み入れると冷房の効いた世界が身を纏って快楽に包まれる。
「あ゙ーーっ」
エアコンの前にバンザイしながら私は汚い声を張った。
こうでもしないと体内の熱も下がらないんじゃないかと思っていつもやってしまう。
そして。
「ちょっと来てそうそうやめなさいよ」
お母さんが言う。苦笑して。
おばあちゃんは柔らかく笑って「いいじゃないの」と私を甘やかすもんだからお母さんはおばあちゃんに一喝した。この流れが来てそうそう繰り広げられる光景なのもまた楽しい。
夏が来てるってかんじ。