「いつまでも抗えるものではないな」

「旦那さ……」

青い炎が渦巻き、空に浮かぶ月をも飲み込む。

銀色の毛並みが髪となり、禍々しい肉食の目をしてリアムはルーナの両頬を包んだ。

唇が重なり、舌を舐め、だんだんと激しく押し合うようになり絡む。

糸をぶつ切りするように唇が離れると、そのまま下降して首を食んだ。

「んっ……!」

肌がビクッと跳ね、鼓動が激しくなる。

「お前がほしい、ルーナ。触れさせろ」

「……はい」

リアムの首に手を伸ばし、交差して引き寄せる。

ぐっと身体を密着させてその気があることを知らせた。

身体を横抱きにされ、洋館の中に入り寝室の扉を開く。

風の入り込む寝室で、古びた木製のベッドに背中をのせる。

軋む音の耳にしながらリアムの銀の尻尾に指を滑らせ、肌に舌を這わせた。

月明かりが差し込む寝室で、人と獣が交わる影が伸びていた。