私は、先輩を見てあの時の気持ちが蘇った

 はっと我に返り、頭をブンブンと横に振る

 後ろを振り返り、私は走った



 教室に戻ると、愛奈が退屈そうに頬杖をついていた

 私を見ると、愛奈が犬のように此方に走ってきた

 「どうしたの?」

 私を見た瞬間、愛奈は心配してきた

 私は、笑顔を作り愛奈に言った

 「なんでもないよ、ただ追っかけられてただけw」

 と、嘘をつく

 愛奈は、んー?と目を細めながら私にジリジリと顔を近づけてくる

「な、なに…」

 困惑する私に、愛奈はべーっつに、とぷいっとした

 …?

 私は、席に着き左斜め後ろの愛奈と話し合った

 突然、愛奈は人差し指を立てた

 「あっ、そういえばさー」

 「先輩、昨日好きな人に告白したらしいよ!」

 何かが、胸を締め付けた

 「そうなの?ていうか、先輩がいること知ってたんだ」

 私は、締め付ける苦しさを何とか堪え笑顔を作ってみせる

 「うん、噂になってたし」

 噂…?

 愛奈は、噂や怪談話が大好きだ。

 私は、そういうの信じないし無理だけど愛奈がしつこいので仕方なく聞いている

 「…それで、その彼女知ってんの?」

 まぁ、知らないでしょうけど。

 半分呆れで聞いた、けど返ってきた答えは予想とは大きく外れていた

 「うん、知ってるよ」

 ガタッと、愛奈に近づき私は焦りながら聞く

 「だ、誰…?」

 「それはね…」