エントランスに行ってみると、いつものようにエドが待っていた。
「おはようございます、エド」
「うん、おはよう……ステラ……と御両親の方々」
エドはまたしても現れた両親に、驚いた様子で挨拶する。
「おはようございます、エド様。ところで、昨日はどこぞの御令嬢とデートされたそうですな?」
「は!?」
いきなり父からの質問にエドは目を見張る。
「どうなんですの? エド様。本当にデートされたのですか?」
母も詰め寄っていく。
「そ、それはステラに言われたからですよ!?」
エドが助けを求めるかのような目で私を見る。
「なんと! そうだったのか? ステラ」
父がグルリと私の方を向いた。
「はい、そうですけど?」
「何だと!」
「まぁ! なんてことでしょう!」
父と母が同時に驚く。
「何もそんなに驚くことは無いでしょう? エドには私の作戦に協力してもらっただけですから」
「作戦とはどんな作戦なのかしら!?」
母が食いついてくる。
「それはですね。実はエドがデートに誘った相手はカレンだったからですよ」
「カレン……カレンだと!? 君! よりにもよって、ステラの婚約者を奪ったカレンとデートをしたのかね!?」
エドの正体を知らない父がエドの胸ぐらを掴むとユサユサ揺さぶった。
キャ〜ッ!! な、なんてことを……!!
「だ、だから俺はステラに頼まれたからなんですってば」
「そうですよ! お父様、落ち着いて下さい。私はカレンの取り巻きたちにも酷い目に遭わされていたんです。そこで、彼らにもちょっとした? 復讐をするためにエドに協力してもらったんですよ」
「何と……そうだったのか?」
パッとエドの胸ぐらを離す父。
「はい、そうです。その為にはカレンを彼らから引き離す必要があったのですよ」
「そうだったのね? それでどんな復讐をしたのかしら?」
母が興味深げに尋ねてきた。
「はい。それは本日大学に行ってみれば分かることです」
私は笑みを浮かべながら返事をした。
****
両親に見送られながら、馬車に乗り込むと早速私はエドに尋ねた。
「エド、昨日のデートはどうでしたか?」
するとエドは、大きなため息を着く。
「はぁ〜……どうもこうもなかったよ……最悪だった。昨日はどれだけ俺が食べ物や飲み物に気を使っていたと思う?」
「え?」
「何しろ、カレンは恐らくあの4人に惚れ薬を飲ませて虜にしたんだろう? 昨日は、たった2時間のデートで3回も喫茶店に連れて行かれたんだぞ? その度に飲み物や食べ物を進められるものだから、いつ惚れ薬を飲まされたりするんじゃないかと思うと、気が気じゃなかったよ」
「そうでしたか……それは大変でしたね」
「そう! 本当に大変だったんだ! だけど、ステラのためにおれは頑張ったんだよ! だから……何か労いを貰えると嬉しいんだけどな……」
エドが真剣な目で私を見つめてくる。
「ええ、分かっています。エドの気持ちはよ〜く、分かっていますよ?」
「え!? ほ、本当に分かってくれているのか!?」
「はい、なので今日はこれを持ってきました」
私は持参してきた布バッグから今朝、ゲットしてきたポン菓子を取り出した。
「これは何だ?」
エドはポン菓子を不思議そうな目で見る。
「これはですね、お米から出来たお菓子ですよ。ほら、もう見るからにお米の形をしているでしょう?」
「確かにそうだ……お米そのものの形をしている」
「お米が無くなった代わりに代用品として、どうぞお召し上がり下さい」
「本当か!? ありがとう! さすがはステラ、俺のことを良く分かってくれているじゃないか! 愛してるよ!」
「はいはい、分かりましたよ」
うん? ドサクサに紛れて変なことを口走ったようだが……まぁいいか。
私は馬車の窓から外を眺め、これから起こる出来事をワクワクしながら思い描くのだった――
「おはようございます、エド」
「うん、おはよう……ステラ……と御両親の方々」
エドはまたしても現れた両親に、驚いた様子で挨拶する。
「おはようございます、エド様。ところで、昨日はどこぞの御令嬢とデートされたそうですな?」
「は!?」
いきなり父からの質問にエドは目を見張る。
「どうなんですの? エド様。本当にデートされたのですか?」
母も詰め寄っていく。
「そ、それはステラに言われたからですよ!?」
エドが助けを求めるかのような目で私を見る。
「なんと! そうだったのか? ステラ」
父がグルリと私の方を向いた。
「はい、そうですけど?」
「何だと!」
「まぁ! なんてことでしょう!」
父と母が同時に驚く。
「何もそんなに驚くことは無いでしょう? エドには私の作戦に協力してもらっただけですから」
「作戦とはどんな作戦なのかしら!?」
母が食いついてくる。
「それはですね。実はエドがデートに誘った相手はカレンだったからですよ」
「カレン……カレンだと!? 君! よりにもよって、ステラの婚約者を奪ったカレンとデートをしたのかね!?」
エドの正体を知らない父がエドの胸ぐらを掴むとユサユサ揺さぶった。
キャ〜ッ!! な、なんてことを……!!
「だ、だから俺はステラに頼まれたからなんですってば」
「そうですよ! お父様、落ち着いて下さい。私はカレンの取り巻きたちにも酷い目に遭わされていたんです。そこで、彼らにもちょっとした? 復讐をするためにエドに協力してもらったんですよ」
「何と……そうだったのか?」
パッとエドの胸ぐらを離す父。
「はい、そうです。その為にはカレンを彼らから引き離す必要があったのですよ」
「そうだったのね? それでどんな復讐をしたのかしら?」
母が興味深げに尋ねてきた。
「はい。それは本日大学に行ってみれば分かることです」
私は笑みを浮かべながら返事をした。
****
両親に見送られながら、馬車に乗り込むと早速私はエドに尋ねた。
「エド、昨日のデートはどうでしたか?」
するとエドは、大きなため息を着く。
「はぁ〜……どうもこうもなかったよ……最悪だった。昨日はどれだけ俺が食べ物や飲み物に気を使っていたと思う?」
「え?」
「何しろ、カレンは恐らくあの4人に惚れ薬を飲ませて虜にしたんだろう? 昨日は、たった2時間のデートで3回も喫茶店に連れて行かれたんだぞ? その度に飲み物や食べ物を進められるものだから、いつ惚れ薬を飲まされたりするんじゃないかと思うと、気が気じゃなかったよ」
「そうでしたか……それは大変でしたね」
「そう! 本当に大変だったんだ! だけど、ステラのためにおれは頑張ったんだよ! だから……何か労いを貰えると嬉しいんだけどな……」
エドが真剣な目で私を見つめてくる。
「ええ、分かっています。エドの気持ちはよ〜く、分かっていますよ?」
「え!? ほ、本当に分かってくれているのか!?」
「はい、なので今日はこれを持ってきました」
私は持参してきた布バッグから今朝、ゲットしてきたポン菓子を取り出した。
「これは何だ?」
エドはポン菓子を不思議そうな目で見る。
「これはですね、お米から出来たお菓子ですよ。ほら、もう見るからにお米の形をしているでしょう?」
「確かにそうだ……お米そのものの形をしている」
「お米が無くなった代わりに代用品として、どうぞお召し上がり下さい」
「本当か!? ありがとう! さすがはステラ、俺のことを良く分かってくれているじゃないか! 愛してるよ!」
「はいはい、分かりましたよ」
うん? ドサクサに紛れて変なことを口走ったようだが……まぁいいか。
私は馬車の窓から外を眺め、これから起こる出来事をワクワクしながら思い描くのだった――