エドに背を向けてベッドに横たわっていると、彼のボヤキが聞こえてきた。
「一体ステラは何がしたいんだ……? さっぱり理解できない。と言うか、これってどうやって開封すればいいのだろう……? あ、こんなところにペーパーナイフがある。これで切ってみるか。……よし! 切れた。では早速……」
青海苔の香りと共に、パリンパリンとポテチを噛み砕く音が聞こえてくる。
「何だ! これは……今までステラから貰った食べ物でも1、2位を競う旨さだ!」
「あの!」
ガバッとベッドから身を起こすと、相手が王子であることを承知で睨みつけた。
「エド、うるさくて眠れないのでお願いですから静かにして頂けますか!?」
「あ、悪かった。だが、あまりにも美味しすぎて感動が止まらないんだよ。ステラ、このポテチ……」
「ええ、全部差し上げますのでお静かにしていただけますか? さもないと……」
「分かった、おとなしく食べる」
コクコクとエドは首を縦に振る。
「お願いしますよ。では」
今度こそ、眠る覚悟で私は再びベッドに横たわり……青海苔の香りが漂う部屋でいつしか深い眠りに就いていた――
「……ハッ」
気付けば、また私は元の自分の部屋の床に寝そべっていた。着ている服を確認してみると、眠りに就いたときと同じのを着用している。
「うん……やっぱり、コレはアレかな?」
ムクリと起き上がると、食料が保管してある段ボール箱へ向かった。
「う〜ん……やっぱりリセットされていないかぁ……大分食べ物が減ってきちゃったなぁ」
でも減ったと言っても、まだ在庫はある。
これも製菓会社に勤めている兄のおかげだ。毎月段ボール一杯のせんべいやスナックを送ってくれていたから大助かりだ。
「……兄さん、元気にしているかな……」
少しだけ、ホームシック? 的な感情がこみ上げてしんみりし……ハッと気付いた。
ちょっと待って……?
ステラは死んだものだとばかり思っていたけど、魂の交換とやらが行われているなら、ステラは私の身体の中で生きているってことじゃない!?
「いやあああ!! ステラ〜ッ!! 万一、私の身体でおかしなことをしていたら承知しないんだからね! うう〜……ステラと連絡が取れる方法があればいいのに……!」
けれど苛ついてみても仕方ない。
先ずはいつものように食べ物を持ち込まなければ。
「う〜ん……もう詰め込む袋が無いな……もう、レジ袋でいいか」
食器棚の奥から保管していたレジ袋を探し出すと、詰め込めるだけ詰め込んだ。
ポテチやコーンスナック、せんべい。ナッツ……。
「よし、こんなものかな?」
レジ袋を腕に引っ掛けると、私はベッドに横たわると目を閉じた。
頭の中で羊の数を数えながら……。
****
ガタッ!
ガタガタッ!!
う〜ん……何やら騒がしいなぁ……。
ゆっくり目を開けて辺りを見渡し、驚いた。何と部屋の中が荒れ放題なのだ。
全てのクローゼットは開け放たれているし、バルコニーへ続く窓も全開になっている。
「な、な、何……この状況は……!」
辺りをきょろきょろ見渡していると、ウォークインクローゼットの扉が大きく開かれてガサガサ音が聞こえている。
「まさか……ほ、本当に泥棒が……?」
その時、突如扉の奥から人影が現れた。
「キャアアアアッ! ど、泥棒!」
「ステラッ!」
思わず目をつぶって叫ぶ声がエドの声と重なった。
「え?」
驚いて目を開けると、髪が乱れたエドが呆然とした顔で私を見ている。
「ま、まさか……!」
「ステラ……!」
「この部屋を散らかしたのはエドですかっ!!」
駆け寄ってこようとするエドに言い放った――
「一体ステラは何がしたいんだ……? さっぱり理解できない。と言うか、これってどうやって開封すればいいのだろう……? あ、こんなところにペーパーナイフがある。これで切ってみるか。……よし! 切れた。では早速……」
青海苔の香りと共に、パリンパリンとポテチを噛み砕く音が聞こえてくる。
「何だ! これは……今までステラから貰った食べ物でも1、2位を競う旨さだ!」
「あの!」
ガバッとベッドから身を起こすと、相手が王子であることを承知で睨みつけた。
「エド、うるさくて眠れないのでお願いですから静かにして頂けますか!?」
「あ、悪かった。だが、あまりにも美味しすぎて感動が止まらないんだよ。ステラ、このポテチ……」
「ええ、全部差し上げますのでお静かにしていただけますか? さもないと……」
「分かった、おとなしく食べる」
コクコクとエドは首を縦に振る。
「お願いしますよ。では」
今度こそ、眠る覚悟で私は再びベッドに横たわり……青海苔の香りが漂う部屋でいつしか深い眠りに就いていた――
「……ハッ」
気付けば、また私は元の自分の部屋の床に寝そべっていた。着ている服を確認してみると、眠りに就いたときと同じのを着用している。
「うん……やっぱり、コレはアレかな?」
ムクリと起き上がると、食料が保管してある段ボール箱へ向かった。
「う〜ん……やっぱりリセットされていないかぁ……大分食べ物が減ってきちゃったなぁ」
でも減ったと言っても、まだ在庫はある。
これも製菓会社に勤めている兄のおかげだ。毎月段ボール一杯のせんべいやスナックを送ってくれていたから大助かりだ。
「……兄さん、元気にしているかな……」
少しだけ、ホームシック? 的な感情がこみ上げてしんみりし……ハッと気付いた。
ちょっと待って……?
ステラは死んだものだとばかり思っていたけど、魂の交換とやらが行われているなら、ステラは私の身体の中で生きているってことじゃない!?
「いやあああ!! ステラ〜ッ!! 万一、私の身体でおかしなことをしていたら承知しないんだからね! うう〜……ステラと連絡が取れる方法があればいいのに……!」
けれど苛ついてみても仕方ない。
先ずはいつものように食べ物を持ち込まなければ。
「う〜ん……もう詰め込む袋が無いな……もう、レジ袋でいいか」
食器棚の奥から保管していたレジ袋を探し出すと、詰め込めるだけ詰め込んだ。
ポテチやコーンスナック、せんべい。ナッツ……。
「よし、こんなものかな?」
レジ袋を腕に引っ掛けると、私はベッドに横たわると目を閉じた。
頭の中で羊の数を数えながら……。
****
ガタッ!
ガタガタッ!!
う〜ん……何やら騒がしいなぁ……。
ゆっくり目を開けて辺りを見渡し、驚いた。何と部屋の中が荒れ放題なのだ。
全てのクローゼットは開け放たれているし、バルコニーへ続く窓も全開になっている。
「な、な、何……この状況は……!」
辺りをきょろきょろ見渡していると、ウォークインクローゼットの扉が大きく開かれてガサガサ音が聞こえている。
「まさか……ほ、本当に泥棒が……?」
その時、突如扉の奥から人影が現れた。
「キャアアアアッ! ど、泥棒!」
「ステラッ!」
思わず目をつぶって叫ぶ声がエドの声と重なった。
「え?」
驚いて目を開けると、髪が乱れたエドが呆然とした顔で私を見ている。
「ま、まさか……!」
「ステラ……!」
「この部屋を散らかしたのはエドですかっ!!」
駆け寄ってこようとするエドに言い放った――