「今日はどうもありがとうございました」
馬車でアボット家まで送ってもらうと、エドにお礼を述べた。
「お礼なんて良いって。だって俺たち」
「はい、友達ですよね?」
「……うん、そういうことだ」
少し考え込む素振りそ見せながら、エドが頷く。
「それじゃ明日もまた迎えに行くよ。だから……」
「分かっています。何か食べ物を持ってくれば良いのですよね?」
「さすが! 話が早くて助かるよ!」
満面の笑顔を浮かべるエド。もし彼に尻尾がついているならば、きっと千切れんばかりに振っていることだろう。
「何か、考えておきますよ。美味しい食べ物を」
かと言って、もうお米は無いし……。何か適当に考えてみよう。
「ありがとう、それじゃまた!」
そしてエドは上機嫌で馬車に乗って帰っていった。
「……本当にエドは王子様なのかな……? 全然それっぽく見えないけれど……」
首を傾げながら、私は屋敷の扉を開けた――
****
「な、何だと! ステラ、お前は10年以上もエイドリアンに惚れ薬を飲まさてきたというのか!」
夕食の席で、父の驚きの声が響き渡る。
「はい、そうです。しかもそれだけではありません。どうやら惚れ薬以外に、周囲から嫌われてしまう成分の入った薬も飲まされていたみたいです」
あの親子に復讐すると決めたので、包み隠さず説明する私。
「フッフッフッ……ロンド家……なかなか舐めた真似をしてくれるわね、まさか私達の可愛いステラにそんな酷いことをしてきたなんて……どうりで屋敷の使用人たちがステラを怖がっていたはずだわ」
いや……それは、以前のステラの性格が悪かったせいでもあるんじゃないかな……とは、口が裂けても言えない。
「ええ、本当に酷い話ですよ」
もっとも本当にロンド伯爵本人が怪しげな薬を購入したかどうか確実な証拠は無いけれども、そんなのはもう知ったことではない。
「よし、分かった。明日にでもやはりロンド伯爵の経営する会社は潰すことにしよう!」
「すごい! さすがあなたね! ますます惚れ直したわ!」
母がパチパチと手を叩く。
「何。私の手にかかれば、あやつの会社を潰すことくらい赤子の手を捻るより簡単なことよ。明日にでも早速潰してやることにしよう」
傍から聞いていると父の言葉は、まるで悪役その者のようなセリフに聞こえてしまう。
「え!? そ、そんな……明日にでも会社を潰せるのですか!? 是非お願いします!」
私も父の意見に賛同する。
そう、悪は決して蔓延らせてはならないのだ。そのとき、私に良い考えが浮かんだ。
「お父様、そのことでお願いがあるのですが……宜しいでしょうか?」
「うん、何だ? ステラ」
「明日の夜、ロンド伯爵とエイドリアンを呼び出して貰えませんか?」
「まぁ、ステラ。もう二度と会いたくないのでは無かったのかしら?」
母が尋ねてくる。
「ええ、そのつもりだったのですが……どうしても私の手で、仕返ししたいのです」
「まぁ、どんな仕返しを考えているのかしら?」
母がワクワクしながら尋ねてきた。
「ええ、実はですね……」
私は自分の復讐計画を説明した。
勿論両親が大いに賛同してくれたのは言うまでもなく、更に手も貸してくれることを約束してくれたのだった――
馬車でアボット家まで送ってもらうと、エドにお礼を述べた。
「お礼なんて良いって。だって俺たち」
「はい、友達ですよね?」
「……うん、そういうことだ」
少し考え込む素振りそ見せながら、エドが頷く。
「それじゃ明日もまた迎えに行くよ。だから……」
「分かっています。何か食べ物を持ってくれば良いのですよね?」
「さすが! 話が早くて助かるよ!」
満面の笑顔を浮かべるエド。もし彼に尻尾がついているならば、きっと千切れんばかりに振っていることだろう。
「何か、考えておきますよ。美味しい食べ物を」
かと言って、もうお米は無いし……。何か適当に考えてみよう。
「ありがとう、それじゃまた!」
そしてエドは上機嫌で馬車に乗って帰っていった。
「……本当にエドは王子様なのかな……? 全然それっぽく見えないけれど……」
首を傾げながら、私は屋敷の扉を開けた――
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「な、何だと! ステラ、お前は10年以上もエイドリアンに惚れ薬を飲まさてきたというのか!」
夕食の席で、父の驚きの声が響き渡る。
「はい、そうです。しかもそれだけではありません。どうやら惚れ薬以外に、周囲から嫌われてしまう成分の入った薬も飲まされていたみたいです」
あの親子に復讐すると決めたので、包み隠さず説明する私。
「フッフッフッ……ロンド家……なかなか舐めた真似をしてくれるわね、まさか私達の可愛いステラにそんな酷いことをしてきたなんて……どうりで屋敷の使用人たちがステラを怖がっていたはずだわ」
いや……それは、以前のステラの性格が悪かったせいでもあるんじゃないかな……とは、口が裂けても言えない。
「ええ、本当に酷い話ですよ」
もっとも本当にロンド伯爵本人が怪しげな薬を購入したかどうか確実な証拠は無いけれども、そんなのはもう知ったことではない。
「よし、分かった。明日にでもやはりロンド伯爵の経営する会社は潰すことにしよう!」
「すごい! さすがあなたね! ますます惚れ直したわ!」
母がパチパチと手を叩く。
「何。私の手にかかれば、あやつの会社を潰すことくらい赤子の手を捻るより簡単なことよ。明日にでも早速潰してやることにしよう」
傍から聞いていると父の言葉は、まるで悪役その者のようなセリフに聞こえてしまう。
「え!? そ、そんな……明日にでも会社を潰せるのですか!? 是非お願いします!」
私も父の意見に賛同する。
そう、悪は決して蔓延らせてはならないのだ。そのとき、私に良い考えが浮かんだ。
「お父様、そのことでお願いがあるのですが……宜しいでしょうか?」
「うん、何だ? ステラ」
「明日の夜、ロンド伯爵とエイドリアンを呼び出して貰えませんか?」
「まぁ、ステラ。もう二度と会いたくないのでは無かったのかしら?」
母が尋ねてくる。
「ええ、そのつもりだったのですが……どうしても私の手で、仕返ししたいのです」
「まぁ、どんな仕返しを考えているのかしら?」
母がワクワクしながら尋ねてきた。
「ええ、実はですね……」
私は自分の復讐計画を説明した。
勿論両親が大いに賛同してくれたのは言うまでもなく、更に手も貸してくれることを約束してくれたのだった――