「それでは、また次の新月が終わった頃に店に伺いますね。『魂の交換』について、ちゃんと聞いておいてくださいね?」
「ええ、勿論よ。任せて頂戴。何しろ、こんなに資金援助してくれたんだから」
魔女は私の問いかけに笑顔で頷き、エドから貰った小切手を見せる。
「これさえ、あれば借金をすぐに全額返済することが出来るわ。これで立ち退かなくてすむわね〜」
「もしステラの問題が解決できたら、報酬として更にその小切手の金額を上乗せしてあげますよ」
エドは太っ腹なことを言ってくれる。さすがは王子様だ。
「え!? その話、本当ね!? 分かったわ! 何としても彼女の問題を解決してあげるから!」
……この魔女、余程お金に困っているのだろうか?
「では、よろしくお願いします」
「ええ、あ! ちょっと待って!」
魔女はカウンターの下を覗き込むと、何やらゴソゴソと漁り……手の平に乗りそうな小さな小瓶を取り出した。中には透明な液体が入っている。
「はい、これあなたにあげるわ」
そして私の手に握らせてきた。
「? あの、これは何ですか?」
「勿論、惚れ薬よ」
「「ええ!? 惚れ薬!?」」
私とエドの声が同時にハモる。
「な、何で私に惚れ薬を?」
「魔女ぉ! どうしてステラに惚れ薬を渡すんですか!?」
驚く私、そして何故か魔女に文句を言うエド。
「何でって……そんなの決まっているじゃない。復讐したいと思わないの?」
「え? 復讐……?」
「そうよ。だってあなたは10年以上、元婚約者に惚れ薬を飲まされ続けてきた中毒患者なのよ? 今度はあなたが元婚約者に仕返しする番じゃない?」
「それじゃ、エイドリアンに惚れ薬を飲ませろってことですか!?」
「ええ、彼をあなたの虜にして、こっぴどい扱いをしてやるのよ」
エイドリアンに惚れ薬を飲ませる……? 冗談じゃない、あんな男に付き纏われるなんて死んでもいやだ!
「イヤですよ! 大体どうやって惚れ薬を飲ませるっていうんですか!? あんな男に付き纏われたら安心して暮らせません!」
「そうだ! 魔女! 余計なことをしないでくれ!」
再び私と一緒になって文句を言うエド。う〜ん……理解できない。
「何よ。面白くない人たちねぇ、楽しいことになりそうだと思ったのに。魔女はね、人生長いから刺激に飢えているのよ」
腕組みして唇を尖らせる魔女。
「生憎、誰かを楽しませるために惚れ薬を使うつもりはありませんから。それに多分エイドリアンはカレンか惚れ薬を飲まされているはずですよ? 私が飲ませたところで効果が出るとは思いませんけど?」
「あら、それなら大丈夫よ。簡単に上書き出来るから。でも折角だから持っていきなさいよ。何かに使えるでしょうから」
「はぁ……そこまで言うなら頂いていきます」
こうして私は魔女から惚れ薬を受け取ると、エドと一緒に魔女の店を後にした。
「よし、それじゃ行こうか? もう一人の魔女に会いに」
「ええ、そうですね。行きましょう」
私とエドは馬車に乗り込むと、次の魔女の店に向かった――
「ええ、勿論よ。任せて頂戴。何しろ、こんなに資金援助してくれたんだから」
魔女は私の問いかけに笑顔で頷き、エドから貰った小切手を見せる。
「これさえ、あれば借金をすぐに全額返済することが出来るわ。これで立ち退かなくてすむわね〜」
「もしステラの問題が解決できたら、報酬として更にその小切手の金額を上乗せしてあげますよ」
エドは太っ腹なことを言ってくれる。さすがは王子様だ。
「え!? その話、本当ね!? 分かったわ! 何としても彼女の問題を解決してあげるから!」
……この魔女、余程お金に困っているのだろうか?
「では、よろしくお願いします」
「ええ、あ! ちょっと待って!」
魔女はカウンターの下を覗き込むと、何やらゴソゴソと漁り……手の平に乗りそうな小さな小瓶を取り出した。中には透明な液体が入っている。
「はい、これあなたにあげるわ」
そして私の手に握らせてきた。
「? あの、これは何ですか?」
「勿論、惚れ薬よ」
「「ええ!? 惚れ薬!?」」
私とエドの声が同時にハモる。
「な、何で私に惚れ薬を?」
「魔女ぉ! どうしてステラに惚れ薬を渡すんですか!?」
驚く私、そして何故か魔女に文句を言うエド。
「何でって……そんなの決まっているじゃない。復讐したいと思わないの?」
「え? 復讐……?」
「そうよ。だってあなたは10年以上、元婚約者に惚れ薬を飲まされ続けてきた中毒患者なのよ? 今度はあなたが元婚約者に仕返しする番じゃない?」
「それじゃ、エイドリアンに惚れ薬を飲ませろってことですか!?」
「ええ、彼をあなたの虜にして、こっぴどい扱いをしてやるのよ」
エイドリアンに惚れ薬を飲ませる……? 冗談じゃない、あんな男に付き纏われるなんて死んでもいやだ!
「イヤですよ! 大体どうやって惚れ薬を飲ませるっていうんですか!? あんな男に付き纏われたら安心して暮らせません!」
「そうだ! 魔女! 余計なことをしないでくれ!」
再び私と一緒になって文句を言うエド。う〜ん……理解できない。
「何よ。面白くない人たちねぇ、楽しいことになりそうだと思ったのに。魔女はね、人生長いから刺激に飢えているのよ」
腕組みして唇を尖らせる魔女。
「生憎、誰かを楽しませるために惚れ薬を使うつもりはありませんから。それに多分エイドリアンはカレンか惚れ薬を飲まされているはずですよ? 私が飲ませたところで効果が出るとは思いませんけど?」
「あら、それなら大丈夫よ。簡単に上書き出来るから。でも折角だから持っていきなさいよ。何かに使えるでしょうから」
「はぁ……そこまで言うなら頂いていきます」
こうして私は魔女から惚れ薬を受け取ると、エドと一緒に魔女の店を後にした。
「よし、それじゃ行こうか? もう一人の魔女に会いに」
「ええ、そうですね。行きましょう」
私とエドは馬車に乗り込むと、次の魔女の店に向かった――