グリアはその衝動に動かされるようにして、再び重ねようと顔を近付けるが———。
「あの〜………」
亜矢とグリアの背後、玄関のドアの前に誰かが立っていた。
亜矢はその人の存在に気付くと、反射的にグリアを力いっぱい突き飛ばした。
ドガっ!!
「でっ!!」
突き飛ばされた勢いで、グリアの後頭部と背中は壁に激突した。
玄関の前に立っていた少年は、申し訳なさそうに頭をかいた。
「あっ、取り込み中だったかな……ゴメン」
照れながら、笑う少年。
亜矢は突き飛ばしたグリアに構わず、とっさに叫んだ。
「リョウくんっ!!」
リョウは亜矢の反応を見て、少し驚いた様子だった。
「あれ、亜矢ちゃん、記憶戻ったの?」
リョウが言い終わるよりも前に、亜矢は駆け出してリョウに正面から抱きついた。
「リョウくん!!良かった!!いつものリョウくんに戻ったのね!!」
「えっ!?え、あ、亜矢ちゃ…!?」
さすがの天使も、亜矢のこの行動には意表を突かれたらしい。言葉になっていない。
リョウは顔を赤くしながら、気を取り直して亜矢に言う。
「ボク、左隣の部屋に住む予定だから、挨拶に来たつもりだったんだけど」
つまり、今までと同じという事だ。
グリアは後頭部の痛みを堪えながら、つまらなそうな顔をして床にあぐらをかいている。
「亜矢ちゃん、ごめん。……本当に………」
一言では言い切れない今までの思いを抱え、リョウは小さく言った。
「え、何が?何でリョウくんが謝るの?またお隣さんだなんて、嬉しいわ!!」
亜矢はそんなリョウに笑顔を返した。
リョウは救われた気がした。そうだ、この笑顔が…そんな彼女が…いつも…。
「天界の方は?大丈夫なの?」
「あ、うん。ボク、天界に仕えるのは辞めて、フリーの天使になったんだ。だから、このまま人間界に住んじゃおうかな〜なんて」
「って事は、もしかして…」
亜矢は何を思い出したのか、グリアの横を駆け足で通り過ぎて自分の部屋へと向かう。
通学用のカバンを手に取ると、焦るような手付きでその中身を掻き回す。
「あった…!!」
亜矢がカバンの中から取り出した、1冊の本。
それは、黒い表紙に目のような紋章が描かれた本。
亜矢は緊張しながら、そして何かを期待しながらその本をそっと開く。
ブワッ!!
本を開いた瞬間、激しい閃光が本の中心から天井に向かって昇る。
目を細めて亜矢がその光を見上げると、
ポンッ!!
という軽い爆発音と共に、煙の中から何かが落ちて来た。
背に小さな黒い羽根を生やした、小悪魔。
「アヤーー!!」
コランは着地するよりも先に嬉しそうに叫び、亜矢に向かって落下していく。
「コランくん!!」
亜矢はコランを見上げ、受け止めようと両手を構えた。
亜矢の腕の中に着地したかと思いきや、コランは亜矢に抱きついた。
「またオレを召喚してくれてありがとう、アヤ!!」
亜矢は涙を浮かべて頷くと、ギュと抱きしめた。
「おかえり……コランくん」
「えへへ……やっぱり、アヤの側が1番いい」
コランは照れくさそうにしながら、嬉しそうに亜矢に頬を寄せた。
「あの〜………」
亜矢とグリアの背後、玄関のドアの前に誰かが立っていた。
亜矢はその人の存在に気付くと、反射的にグリアを力いっぱい突き飛ばした。
ドガっ!!
「でっ!!」
突き飛ばされた勢いで、グリアの後頭部と背中は壁に激突した。
玄関の前に立っていた少年は、申し訳なさそうに頭をかいた。
「あっ、取り込み中だったかな……ゴメン」
照れながら、笑う少年。
亜矢は突き飛ばしたグリアに構わず、とっさに叫んだ。
「リョウくんっ!!」
リョウは亜矢の反応を見て、少し驚いた様子だった。
「あれ、亜矢ちゃん、記憶戻ったの?」
リョウが言い終わるよりも前に、亜矢は駆け出してリョウに正面から抱きついた。
「リョウくん!!良かった!!いつものリョウくんに戻ったのね!!」
「えっ!?え、あ、亜矢ちゃ…!?」
さすがの天使も、亜矢のこの行動には意表を突かれたらしい。言葉になっていない。
リョウは顔を赤くしながら、気を取り直して亜矢に言う。
「ボク、左隣の部屋に住む予定だから、挨拶に来たつもりだったんだけど」
つまり、今までと同じという事だ。
グリアは後頭部の痛みを堪えながら、つまらなそうな顔をして床にあぐらをかいている。
「亜矢ちゃん、ごめん。……本当に………」
一言では言い切れない今までの思いを抱え、リョウは小さく言った。
「え、何が?何でリョウくんが謝るの?またお隣さんだなんて、嬉しいわ!!」
亜矢はそんなリョウに笑顔を返した。
リョウは救われた気がした。そうだ、この笑顔が…そんな彼女が…いつも…。
「天界の方は?大丈夫なの?」
「あ、うん。ボク、天界に仕えるのは辞めて、フリーの天使になったんだ。だから、このまま人間界に住んじゃおうかな〜なんて」
「って事は、もしかして…」
亜矢は何を思い出したのか、グリアの横を駆け足で通り過ぎて自分の部屋へと向かう。
通学用のカバンを手に取ると、焦るような手付きでその中身を掻き回す。
「あった…!!」
亜矢がカバンの中から取り出した、1冊の本。
それは、黒い表紙に目のような紋章が描かれた本。
亜矢は緊張しながら、そして何かを期待しながらその本をそっと開く。
ブワッ!!
本を開いた瞬間、激しい閃光が本の中心から天井に向かって昇る。
目を細めて亜矢がその光を見上げると、
ポンッ!!
という軽い爆発音と共に、煙の中から何かが落ちて来た。
背に小さな黒い羽根を生やした、小悪魔。
「アヤーー!!」
コランは着地するよりも先に嬉しそうに叫び、亜矢に向かって落下していく。
「コランくん!!」
亜矢はコランを見上げ、受け止めようと両手を構えた。
亜矢の腕の中に着地したかと思いきや、コランは亜矢に抱きついた。
「またオレを召喚してくれてありがとう、アヤ!!」
亜矢は涙を浮かべて頷くと、ギュと抱きしめた。
「おかえり……コランくん」
「えへへ……やっぱり、アヤの側が1番いい」
コランは照れくさそうにしながら、嬉しそうに亜矢に頬を寄せた。