「燈真が大きな声で応援してる姿が目に浮かぶな~」

空を見上げながら微笑む私を麗は愛しそうに見つめる。

「楽しみにしてるね!」

空から麗に視線を移し、ニコッと笑うと

「うん、楽しみにしてて。
大会に出場できるように頑張るから。約束する」

麗も笑い返してくれた。

私たちはまた自然と手を繋ぎ、
ベンチに座ったまま色々な話をした。

出会った頃の麗の表情はとても冷たくて
こんな風に話す日が来ることなんて思ってもいなかった。

怖い人、そう思っていた。
でも全然違った。
温かくて、優しくて、そしてよく笑う人。

「ねえ、麗」

「ん?」

「これからも私の隣にいてくれる?」

「当たり前。絶対に離さないから」

そう言って優しく綺麗に笑う麗に私は何度でも恋をするだろう。

「ふふっ、大好き」

「俺の方が大好きだから」

冷徹王子と呼ばれた人は
温かくて優しい、そして時々甘い、
私だけの王子様。