「こんなにも優しくて、誰かのために一生懸命になれる人そんなにいないよ?
純粋にバスケが好きで、友達思いで、真っ直ぐで。もう最高じゃん!
見た目ばかりに気を取られて麗という1人の人間を見なかったことを今になって後悔してればいいと思う。」

麗が話してくれたことを思い出しては私もモヤモヤすることはあった。
一緒に過ごしていく中で、どうして麗が傷つかなくちゃいけなかったんだろうって考える時だってある。

「俺の彼女、格好良すぎ」

「本当のことだもん」

「ありがと」

頬をふにふにされ、抵抗することなく受け入れる。
可笑しいのか時々「ははっ」と笑い声が零れていた。

「バスケ部入ること、他の4人には伝えたの?」

「まだ。次学校行ったときに伝えようと思う」

私の頬から手を離すと

「みんな絶対喜ぶよ」

「また一緒にバスケしたいし」

ベンチに座り、入部届の紙を鞄にしまった。

「私もまた5人が一緒にバスケやってるところ見たい」

「大会とか出れるようになったら応援来て」

「絶対行く!燈真連れてく!」

「あははっ!それいいね」

嬉しそうに笑う皇坂くんにつられて私も笑う。