「うまー!」

圭、愁斗も袋から出す。

「久しぶりに食べたけど美味いな」

「だな」

徹、皇坂くんもアイスを手に取ると袋から出し、口に運んだ。

「皇坂くん、何味にしたの?」

近くにいた女子生徒に声をかけられて皇坂くんは一瞬躊躇ったものの、

「ラムネ味」

と、小さな声で返事をした。

「そうなんだ!教えてくれてありがとう!」

「ラムネの他にオレンジ、リンゴ、マスカット、チョコレート・・・」

先生が味の説明をし始めると皇坂くんは静かに席に戻った。

少し前の皇坂くんだったら返事をするどころか顔さえ見なかったのに、
変わったなぁ・・・。

チラッと皇坂くんの席を見るとバチッと視線が重なった。
ビックリしたが嬉しそうに笑ってくれる皇坂くんはやっぱり格好良くて、私の胸はドキッと高鳴った。

「弥兎!選びに行こ!」

「えっ、あ、うん!」

急に名前を呼ばれてビックリしながら席を立つ。
いつの間にか他の皆もアイスを選んでいて、争奪戦みたいになっていた。

「私この味~」

咲羅はリンゴ味を手に取る。

「私はこれかな」

オレンジ味を手に取ると席に戻り、袋から出すと口に運んだ。
果肉が入っているのかすごく美味しかった。