「よっしゃあ!!!」

「やったー!!!」

先輩のクラスのから歓声が沸き起こる。

審判の横にある得点版を見ると1点差だった。
皇坂くんのシュートが決まれば私たちのクラスの勝利だった。

「う~!惜しかった!」

悔しいのか咲羅はもっているタオルをぎゅっと握った。
クラスの皆も「あちゃ~」や「惜しい」などと言葉を漏らしていた。

「惜しかったな~」

徹が皇坂くんに駆け寄る姿が見えた。

「バスケ部相手にここまでやり切ったのはすげぇよ」

「ナイスプレーだった」

圭、愁斗に続き南於も皇坂くんの近くに歩み寄る。

「楽しかったなー!またバスケしようね!」

皇坂くんは下を向いているからどんな顔をしているか分からなかった。
落ち込んでいる、きっと誰もがそう思ったに違いない。
でも、顔をあげた皇坂くんは笑っていた。

「ははっ、最後だけシュートはずすとかダサすぎだろ。
でもこれが試合なんだよな。何が起こるかわからない。
めっちゃ悔しいけど、すげぇ楽しかった」

徹、圭、愁斗、南於の顔を順番に見ていく。
そして、

「一緒にバスケ出来て嬉しかった。ありがとう」

そう伝えると屈託のない笑顔を見せた。