「・・・はあっ」

へにゃへにゃとその場に座り込む。
その時に初めて自分が息を止めていたことに気付いた。

「今の、なに・・・」

思い出すだけで体中が熱くなる。
耳元は反則だよ・・・!!

「私、心臓もつかな・・・。」

「お姉ちゃん大丈夫?」

突然の言葉にビクッと体が反応する。

「あ、ごめん。
驚かせるつもりじゃなかったんだけど、体調悪い?」

さっきの一部始終を見ていなかったのか、
燈真が心配そうに私の顔を覗き込む。

「うん、大丈夫だよ。ちょっと歩き疲れちゃっただけ」

「そう?ならいいんだけど・・・
しんどかったら言ってね?」

「ありがとう」と笑って返事をすると燈真はコートに戻って行った。

「ふぅ」

燈真の背中を見届け、その場から立ち上がると、
近くのベンチに座り2人の練習している姿を眺める。

「楽しそう」

自然と言葉を漏らしてしまうくらい、2人は楽しそうに練習をしていた。