「すごい!!!」

思わず大きな声がでてしまうほど、今のシュートは凄かった。
バランスを崩していたのに決まった。
私たちのクラスから拍手が起こる。

「ふっ」

『キャー!!!』

私の声が聞こえたのか分からないけど、
皇坂くんがこっちを見ながらピースをした。

「弥兎!」

咲羅の言葉が聞こえたのと同時に私もピースを返した。
もうバレてもいい。
とにかくこの嬉しさと喜びを共有したかった。

私のピースを見たとき、皇坂くんは更に嬉しそうに笑った。
その笑顔は反則だって。
大好きな気持ちがとまらないよ。

顔をくしゃくしゃにして笑う皇坂くんを他のメンバーたちも嬉しそうに見守る。
楽しい、その気持ちが全面にでていた。

「ラストー!いくぞ!」

先輩チームにも熱が入る。
苦しいはずなのに笑顔だった。

「はい!」

「こっちだ!」

コート内のあちこちから声が飛び交う。
ボールが地面に触れる音、ゴールに入る音、はじかれる音、
シューズが床とこすれる音。

球技大会と忘れてしまうほどの熱い試合で
応援にも力が入った。