最初に仕掛けたのは意外にも圭だった。
先輩たちを抜くとゴールまで一直線に向かう。

途中、副キャプテンが前に立ちはだかるが怯むことなく自然な流れで愁斗にパスをだした。
愁斗もボールを受け取るとゴールを狙うが、シュートが決まらない。
零れ球を短髪の先輩に拾われ、追いかけようとしたとき、

「えっ」

皇坂くんがスッと現れ短髪の先輩からボールを奪うと
ゴールめがけてボールを放った。

ザシュッ

ボールは綺麗にゴールに入った。

「「わぁ!」」

皇坂くんが決めた。
私と咲羅の口から喜びの声が漏れた。

皇坂くんの肩や頭をメンバーがそれぞれ触っていく。
ここでシュートが決まったのはかなり大きいと思った。
だからこそ、メンバーも皇坂くんの肩や頭を触ったんだと思う。

「やった」

そう小さく言葉を漏らしたとき、
皇坂くんが私の方を見た。

視線が重なったとき、ドキッと胸が高鳴った。
少しだけだったらいいかな。
そう思い、皇坂くんから視線を逸らさずに微笑んだら

『キャー!!!!!』

「・・・っ///」

女子生徒の悲鳴が聞こえ、私の顔は真っ赤に染まった。