「ちょっ」

突然のことに驚いている咲羅の視線を感じながら
私はコートにいる皇坂くんを真っ直ぐに見た。

「・・・」

体育館がしんと静まり返っているのに気付いたとき、
私は咄嗟に自分の口元を手で覆った。

「ありがとーう!」

徹が笑いながら私に手を振る。
それに続き、圭、愁斗も。
「がんばる~!」と笑顔で答えてくれた南於は投げキッスまでしてくれた。

恥ずかしながらも皆に笑いかけ、最後に皇坂くんを見ると
何かが吹っ切れたような、そんな顔をしていた。

「大丈夫、かな」

そう呟くと隣にいた咲羅に「彼女パワー注入みたいな?」と小声で話しかけられ、
顔が熱くなるのを感じた。

「もーう!可愛いんだから!」

咲羅にぎゅっと抱き着かれとき、

ピーッ!

第4Qが始まる笛が体育館に鳴り響いた。