ハーフタイムが終わり、後半戦が始まった。

第2Qが終わったとき、点差を開いて終わったはずなのに
第3Qが始まってすぐ先輩チームが攻めの体制に入り、
私たちのクラスはボールをもつことさえままらなかった。

「麗の動きを完璧に読まれ始めてるな」

ボールをつきながら徹は考える。
先輩たちの動きが完全に大会の流れになっていた。

「徹!」

愁斗に呼ばれパスをするが
そのボールは愁斗に渡らず、キャプテンに渡ってしまった。

急いで追いかけるが無駄のない動きでシュートを決められてしまい、
また点差が縮んでしまった。

流れが完全に先輩にもってかれている。
試合を見ていた私たちにでさえその空気は伝わってきていた。

「先輩たちガチでやってるね」

コートから視線を逸らさず、咲羅がボソッと言葉を漏らす。

「うん・・・。先輩たち本気だね」

前半戦の流れが嘘かのように皇坂くんたちはボールに触っている時間が少ない。
ほとんど先輩たちにもってかれてしまっている。
皇坂くんの動きも前半戦のときで完全に攻略したのか道を塞ぐのが早い。

「先輩たちを本気にさせちゃうアイツらって何者よ」

笑いながらそう言う咲羅に私も「確かに」と思った。