「麗に負けないようにしないと~!」

南於が楽しそうに笑いながら徹にパスを繋げる。

「目立ちすぎだよ、ほんと」

ボールをつきながらコート全体を見渡し、徹は誰にパスをしようか迷っていた。

「いいところにいるんだよなぁ」

笑いながら圭にパスを繋げると圭も意図を理解しているのかドリブルをつきながら
愁斗を見た。

でも実際、パスをしたのは愁斗と反対側にいる皇坂くんだった。
自分にボールが来ると読んでいたのか一寸の迷いもなく、
またもやスリーポイントを決めた。

「大活躍だね」

「悔しいけど上手い」

愁斗の声に反応したのは圭だった。
先輩チームもまさかここまで皇坂くんが動けるとは思っていなかったのかタイムアウトをとった。

ベンチに戻り、水分補給をしながら南於が楽しそうに皇坂くんに話しかける

「麗、めっちゃ凄いね!」

「なにが?」

「何がって、今日打ったシュート全部入ってるじゃん!」

「あぁ・・・」

何かを考えているのか曖昧な返事をすると徹に向き直った。