サブのグラウンドは周りがフェンスで囲まれている場所で、
元は教師たちの駐車場で使われていたところをグラウンドにしたと
誰かが話していたのを思い出した。

「結構みんな集まってるね」

「そうだね・・・」

それにしても人の数が多い気が・・・?

「なんか多くない?」

咲羅も不思議に思ったのか首を傾げながら歩いており、
サブのグランドに近付くにつれ人が多い理由が判明した。

「え、なんで皇坂くんが?」

咲羅が驚くのも無理はなかった。
フェンスを背にしてもたれかかっていたのは、
冷徹王子と呼ばれている学校一の人気者なんだから。

「皇坂くんがここにいるから女子が多いんだね」

ドッジボールより皇坂くん目当てに来ている人が多いのは一目瞭然だった。
すごいなあ、本当に。

そんなことを思いながら私たちはサブのグラウンドに入った。
第一試合目ということもあり、ここで負けたら私の球技大会は終了を迎える。

どうにか1勝はしたいなあ。
敗者復活戦はないから負けたら本当に終わりだった。

だけど、私たちの相手は3年生のクラスでしかもハンドボール部に所属している先輩の姿もあった。

「あっちゃー、これはもう厳しいとしか言いようがないね・・・」

咲羅の言葉に私も「うん・・・」と苦笑いを零すしかなかった。