「じゃあ決まりだね!」

「楽しみだねー!」

皇坂くんがバスケしているところが見えるってだけですごく嬉しい。
しかも試合形式で見るのは初めてだから本当に楽しみ。
家に帰ったら燈真に自慢しちゃお。

「あ、もうそろそろ時間だから体育館行こ~」

咲羅に言われ時計を見ると集合時間の15分前だった。

「本当だ、行こっか」

鞄に荷物をしまい、飲み物やタオルを持って移動した。

体育館に着くともう既にどのクラスも集まっていた。
自分たちのクラスに行き並ぶ。

「あ、皇坂くんだっ」

「今年は参加するとか嬉しすぎる」

「バスケやるって聞いたから絶対に応援行こ」

隣のクラスの女子生徒の会話が聞こえてくる。
体育館に行くまでにも同じような会話を数回聞いた。
皇坂くん、本当にモテるんだな・・・。

今日の球技大会で咲羅が言っていたみたいにファンクラブが出来たらどうしよう。
可愛い子がたくさん近寄ってきて振られたらどうしよう。

急に不安に襲われ下を向き、ぎゅっと目を瞑った。
震える両手をおさえるように強く握る。

すると不意に誰かに手を握られたような気がして、
パッと顔を上げると大きな背中が目の前にあった。

ゆっくりと視線をあげる。

「あっ」

顔を見なくても誰か分かった。
でもじっと見つめると、視線を感じたのかその人物は後ろを振り返った。