「・・・っふぅ・・」

泣いているのだろうか、肩が震えていた。

「バスケ、教えてくれて・・・、ありがとうございます・・っ
ありがとう、ございます・・」

「もういいっ、わかった」

更にぎゅっと抱き締め、頭をポンポンとする。

「皇くん・・」

「ん?」

「俺と出会ってくれて、ありがとう、ございます・・・。」

「・・・っ」

声を押し殺して泣いているのが分かる。
燈真の服に涙のシミが増えていく。

「・・はぁっ・・・ふぅっ・・。
燈真っ、俺も、出会えてよかったよ。
これからもずっと一緒に、バスケしようなっ」

「・・・はいっ!!!」

「元気があってよろしい」

燈真の涙がおさまるまで、皇坂くんはずっと一定のリズムで背中を叩き、
頭を撫でていた。

その2人の姿が微笑ましく、
気付かれないように私は涙をそっと拭った。