「中学生になったら絶対にバスケ部に入って、
ここの公園に行って、練習していた人に会おうって決めてたんです」

燈真は皇坂くんの両腕を掴む。

「会って、伝えたかったんです。
”あなたがいたからバスケに出会えました”って
”あなたがいたから弱い自分と向き合えました”って
”あなたがいたから自分のこと好きになれました”って」

燈真の目にまた涙が溜まる。
声が震えていた。

「それでっ、”一緒にバスケがしたいです”って、
そう、伝えたかったんです・・・っ」

大粒の涙が燈真の目から流れ落ちる。

「ずっと、会いたかったっ。
もう会えないって、思ってたから・・・。
やっと・・っ、会えた・・」

涙を流しながら、でもしっかりと伝える燈真の姿が涙で滲む。
私の目からもとめどなく涙が流れ、拭っても拭っても溢れてくる。

知らなかった。
燈真はその気持ちを胸にもちながらここの公園に通って練習していたことを。
会いたい人がいたから、ここまで・・・。

「ずっと見てたから間違えない。
あのドリブルのつきかた、ゴール前のシュート打つときの姿勢。
あの、綺麗なフォーム・・・。見間違えじゃない。

ずっと、ずっと・・・会いたかったですっ・・!?」

そこまで言ったとき、皇坂くんは自分の胸に燈真を抱き寄せた。