戸惑ってすぐに、送信ミスだと思った。
だって、私と中原の関係は良くも悪くも普通。特別仲が良いわけでも、かといって悪いわけでもなかった。
ひとつ挙げるとするならば――――そうだな、二年連続同じクラス、ということだけは他の人より特別かもしれない。
でも、ほんとうにそれくらいで、一年生のときも二年生になった今も変わらずに、中原と私は普通のクラスメイトだ。
それまでにメッセージアプリで会話が続いていたわけでもない。だから、他の人を誘おうと思って、間違えて私に送信してしまったのかな、と推測した。
送信ミスであれば、そのうち〈 ごめん、今のミス〉だとか〈送る相手間違えた!〉だとか送られてくるだろうと思ったから、そのまま暫く待ってみた。
けれど何も送られて来ず、まだ勘違いしてるのかな、と思った私は
〈え?笑〉
と、とぼけたふりをして返信した。これで、さすがに勘違いに気づくでしょ、と。
なのに、なぜか中原からは時間と場所が送られてきたのだ。
〈 ここで待ってる 〉
嘘、と小さく独りごちた。
間違いでも、勘違いでもなくて、ほんとうに私だと分かった上で誘っているつもりなのだろうか。