~♪


「はい」

『もしもし』

「はい」

『お前はひとりじゃないからな?』

「そーかな」

『彼氏ではねぇけど俺がいるくね?』

「んー。悠真くんにも彼女ができるだろし結局1人だよ」




うん。
みんな10代じゃないし彼氏や彼女の1人や2人くらいできる


あたしがビビってこわくて彼氏を作らない人を好きになれないだけ


周りは同じじゃない



『あのさ?』

「なに」

『咲優に彼氏が出来たかも知んねぇけど
あいつだぞ?葉月を1人にするはずない』

「わかんないじゃん」

『分かるよ』

「わかんないよ!悠真くんにも彼女が出来て咲優にも彼氏ができて葉月はどーせ1人ぼっちなんだよ!1人でずっと…無理なの。
彼氏を作るのも人を好きになるのも!人を信じるのも全部やなの!怖いの!葉月はめんどくさい人なの!ウザイ人なの!だからみんな離れてくんだよ!」

『まー確かにウザイかもな?』


やっぱりそーでしょ


みんなそー思ってるよ



『LINEは荒らすし鬼のように電話してくるしちょっとした事でパニック起こすし確かにそーかもな?』

「……。」

『でもそれってわざとしてんの?』

「……。」

『あんまり言いたくねぇけどさ?
病気なわけじゃん。じゃ足がないやつは歩けないからウザイわけ?めんどくせぇの?』

「……。」

『病気で入院してるやつはウザイの?めんどくせぇの?病気と戦ってるのってめんどくせぇの?なりたくてなってるやつなんてどこにいんの?』

「……。」

『それって結局偏見だし。価値観の問題じゃね?
障がい者のこと病気の人の事ちゃんと理解できねぇからそーいうんじゃねぇの?少なくとも俺は分かるよ本職だからな?それが』

「……。」

『ならお前は彼氏を作りたくなくて作ってねぇの?
人を信じたくないわけ?
信じたいけど信じれないんじゃねぇの?
彼氏を作りたいけど怖いだけだろ?
でもその恐怖って自分が悪いの?なに?したくてそーしてるわけ?』

「……。」

『違うだろ?
人を信じたくない訳でもないしその恐怖ってわざとでもなんでもないと思うけど?それがウザイの?
それって自分を守るために身体がそうなってんじゃないの?人は誰だって自分を守りたい…事故防御なんじゃねぇの?』

「……。」

『お前は頑張ってるよ?
仕事行ってんじゃん?行けねぇ時もあるけど行ける時はちゃんと。
ちゃんとさ?咲優のこと信じてんじゃねぇの?
俺の事も信じようと頑張ってんじゃねぇの?俺にはそう見えるけどな?それってウザイの?キモイの?なに?』

「……涙」

『咲優は俺はお前が頑張ってること知ってる』

「……涙」

『必死に生きようと自分の居場所探してんじゃねぇの?』

「…でも…」

『でも…?』

「何も進めてない…ずっと怖いまま…
何も頑張れてない…」

『それってハードル高すぎなんじゃね?
別に周りと同じを目標にしなくてもよくね?
まずは1つずつ目の前のことから目標にして進んでけばいいんじゃねぇの?』

「誰もはづのことなんか…見てないよ…」

『見てるよ?俺は…お前は頑張ってる。
頑張ってるよ?咲優は俺は見捨てない、ウザイともキモイともめんどくさいとも思わないそれも含めて全てが葉月だから』

「……涙」

『その全てを含む葉月って人を支えたい助けたい一緒にいたいと思う人が絶対にいる。そんな人と友達にカップルに夫婦になれればいい。一緒に乗り越えて行けばいいと思う。鬱やパニック障害、適応障害など精神疾患ってすぐに治るものじゃないそれを治すのには何年も何十年もしくは死ぬまで付き合っていくことになる。でもその病も含めて全てが葉月って人なんだろ?それも個性なんじゃねぇの?』

「……涙」

『俺は咲優は助けたいと思うよ?お前のことを』

「……うざくないの…」

『ウザくねぇよ?俺は葉月よりも酷い人も軽い人も沢山見てきたし今も見てるじゃ全員ウザイ人なのかよ…全員生きてる意味ないやつか?』

「違う…かも…」

『だろ?案外お前が気づいてないだけでお前の事を心から支えてくれるやつはすぐそこにいるぞ?少しずつでいいし進めばいいんじゃねぇの?病気と一緒に生きてくためにどーすればいいか逃げるんじゃなくて考えて行けばいいんじゃね?それは1人でじゃなくて周りと一緒に』

「……ねぇ…どーしたらいいの…」

『そのままでいいんじゃね?
なりたい自分目指してそしたらそのありのままの葉月を好きって思ってくれるやつは必ずいるからそいつとこれから先共に過ごせばいいと思うけどな?それは友達も彼氏も旦那も同じくちゃんと理解ある人が入ればそれでいいと思う全員が全員理解出来るわけねぇから』

「…ゆぅ…ま…くん…
はづを…1人にしないで…彼女が出来ても…」

『笑。
今のところ彼女作る気ないなぁー?1人にしようなんて思ってねぇよ?』

「…うん…」

『落ち着いたか?
お前はひとりじゃない』

「…うん…」

『なぁ…開けて』

「え…」