葉月side



「……んっ……」

あれ?あたし昨日どーしたっけ?


リビングに行くとソファで寝てる悠真くん


「……ん?」

「あ。起きた?おはよう」

「……お、おはよう」

「気持ちは落ち着いたか?」

「……?うん?」

「その感じだとなにが?って感じだな?」

図星で言い返せない


「今日俺休みなのもすこしここで寝てもいい?」

「いいけど」

「なら寝る」

「え?」



なにも教えてくれないの?
どー言うこと?




とりあえず意味わかんないしLINEと……




「ん?」





『もしもし!はづ!?』

「もしもし」

『大丈夫??返事返せなくてごめん!
なんかめちゃめちゃ荒れてたから何かあったかと』

「あったぽい??」

『あー。また覚えてないパターン?』

「はい」

『まぁ元気そうでよかった……
またリスカでもしてるかと』

「いや。それは……」


自分の腕を確認

「してないよ?」

『確認すな!』

「あ。バレた?」

『バレバレです!』



「おーい!生きてるか?」

「え?……」


『何?誰かいるの?おにぃさん?
にしては声違うよな?え?彼氏??』

「いやいや……ないない!」

『ですよね?』


いや失礼なやつだな?

「入るぞ!なんだ返事しろよ!」

「あっ……ごめんなさい」

「あ。電話中?誰?咲優?」

「あ、うん」


『なに??悠真??なんで?』

「あ……いや……あたしが聞きたいです」

『ちょっと変わってよ?』

「え?あ、うん」



???





「咲優が変わると」


「はい」

『おはよう。なんでそこに?』

「昨日の夜大変でしてね?
置いて帰れる状況じゃなくて今に至ります!」

「あ、すみません
やっぱりあたし……」

『あ、やばい。聞いたのが間違い……
はづ??聞こえる?』

「あー!うるせぇな
スピーカーじゃねぇわ」

「ごめん……」

「あ。わりぃ
お前に言ってない」

「いやでも……」

「あー!後でかける!」

『ごめん!』

やっぱりめんどくさいんだよねあたし……






「おい!なんもねぇから……ちと言い方が悪かった。」

「……。」

「あー。目が覚めた
とりあえず一緒に部屋の片付けでもするか?」

「……大丈夫……」

「ではねぇよな?」

「……うん……」

「ん。素直」




え?今頭ポンポンされてる??



なんで?








なんかおにぃちゃんみたい……安心する……






結局あの日は何も無くちゃっかり片付けまで手伝ってくれて帰って行った



あれから
咲優も連絡が取れるようになって
悠真くんも毎日欠かさず返してくれる





少し気持ちも落ち着いて仕事に行ける日が
続いていた






電話の内容もたわいもない話ができるほど



「さーゆ!」

『なに?元気になって良かったです』

「はい。そりゃどーも」

『あー。ほんと帰ってきてすぐ仕事辞めたいしかない』

「まぁたしかにあるよね?
誰か養ってくれるならいいけど??その前に彼氏ですわ」

『いやほんとにそう!』

「いや。タイミングなくて聞けてなかったけどどーなのよ?そっちは」

『んー?』

「え?なに気になるんですけど」

『付き合ってるのかな?と思わなくは無いけど
でも告白されてないしなぁ?って』

「ん?と言いますと?」





話を聞くと
前よりも相手が積極的というかなんというかでも
告白された記憶が無いと





いや待てよ?



あの日……







あの日確か…



「彼女!」

か・の・じょ



確か…





「ねぇ酔ってないよぉー」

「いや酔すぎだから」

「てかなんで彼女なんて言ったのぉ?」

「ダメだった?」



う…ん…
あれは確実にイチャイチャしてたよね?



いやあれは

確実にしてたよね



もしかして……





あの時……



「咲優…俺…」




あーーーーーー!
ありえる…




ちょっと待った




「さすがにさ?
本人に聞いてないよねぇ?」

『ないない!さすがに聞けないし』

「ですよねー。」

『んー。どーなんだろ?
あたしのこと好きなのかな?そーなら嬉しいんだけど?』

「確かに
あのあと出かけたりとかはないの?」

『ないない!
まぁ予定まず合わないから介護なので』

「そーだった忘れてた…」

『夜間も行ってるみたいだからね?車なかなか見ないからね?』

「そりゃ仕事かもね?」

んー。
聞いてみるか?うんそこは思い切って



「あ!待っててよ!悠真くんにさ?聞いてみたら?」

『あいつそんなこと聞いてくれるかな?』

「いや分かんないけど何せ悠真くんなので」

『ですよねー
はづが聞いてよ!本人に』

「いやいや連絡とってないからさ?
いきなり連絡きて付き合ってるの?っておかしくね?」

『それもそーかー。』

「聞くだけ聞いてみるか?」

『まぁはづが聞いたことに対しては答えてくれるかもあいつなら』

「どんな基準よ!」

『はづならなんでもありという考え
あいつ絶対はづのこと好きだから』

「いやあたし好きじゃないんですけど…」

『あー。そこかー。可哀想なやつ』

「爆笑なんだけど笑
まずないないあたしのこと好きなんて物好きにも程があります!」

『いやあいつなら有り得るから笑笑』

「えー。
あたし友達だと思ってるんだけど」

『だとしたらあんたは罪なヤツね?』

「えー。」




みんなしてなんかあたしが変みたいに言うな…



ほんとバーカー!






久々に会話に花が咲き
結局3時間コースの電話



ほんとそーやって会話できるだけで気持ちが落ち着くの横にいなくても横にいるみたいで安心する別に同情して欲しいわけじゃないたわいもない話でいいしんどい時に大丈夫同じだよ!って言ってくれるだけでいいほんとにそれがあたしにとって最高な薬であり友情なのだと思う




あ。
忘れてた






葉月 あのね。咲優と雅人くんって付き合ってるのかな?







………15分後




悠真 付き合ってねぇの?

葉月 え?知らないの?はづも知らない

悠真 この前の帰りの感じからして付き合ってんのかと彼女って言ってたし

葉月 はづもそー思ってたけど咲優に聞いてもわかんないって言ってたから

悠真 どーなんだろな?

葉月 雅人くんに聞いてもらうこと出来る?

悠真 聞くくらい聞けるけど

葉月 気になるからお願いします

悠真 わかった








よし!きたーーーーーー!





咲優本人からの気持ち確認です!イェーイ!




あれから4日後




悠真 付き合ってるらしいぞ

葉月 つ…付き合ってるの?

悠真 雅人が言ってた

葉月 あ…そーなんだ

悠真 おう

葉月 4人でお友達と思ってたからなんか寂しいなぁ

悠真 友達には変わんねぇだろ?

葉月 んー。でも向こうはカップルなんでしょ?

悠真 まぁ

葉月 咲優に彼氏が出来て嬉しいけど。
なんかさみしい1人の気分





なんかいきなり寂しくなってきた

もし4人で遊んでも向こうはカップルなわけで
なんか邪魔してる以外の何ものでもないし

あたしがいるとあのふたりを割いてるような気分になる





また気持ちが沈み始めた


「彼氏か……」









~♪


「はい」

『もしもし』

「はい」

『お前はひとりじゃないからな?』

「そーかな」

『彼氏ではねぇけど俺がいるくね?』

「んー。悠真くんにも彼女ができるだろし結局1人だよ」




うん。
みんな10代じゃないし彼氏や彼女の1人や2人くらいできる


あたしがビビってこわくて彼氏を作らない人を好きになれないだけ


周りは同じじゃない



『あのさ?』

「なに」

『咲優に彼氏が出来たかも知んねぇけど
あいつだぞ?葉月を1人にするはずない』

「わかんないじゃん」

『分かるよ』

「わかんないよ!悠真くんにも彼女が出来て咲優にも彼氏ができて葉月はどーせ1人ぼっちなんだよ!1人でずっと…無理なの。
彼氏を作るのも人を好きになるのも!人を信じるのも全部やなの!怖いの!葉月はめんどくさい人なの!ウザイ人なの!だからみんな離れてくんだよ!」

『まー確かにウザイかもな?』


やっぱりそーでしょ


みんなそー思ってるよ



『LINEは荒らすし鬼のように電話してくるしちょっとした事でパニック起こすし確かにそーかもな?』

「……。」

『でもそれってわざとしてんの?』

「……。」

『あんまり言いたくねぇけどさ?
病気なわけじゃん。じゃ足がないやつは歩けないからウザイわけ?めんどくせぇの?』

「……。」

『病気で入院してるやつはウザイの?めんどくせぇの?病気と戦ってるのってめんどくせぇの?なりたくてなってるやつなんてどこにいんの?』

「……。」

『それって結局偏見だし。価値観の問題じゃね?
障がい者のこと病気の人の事ちゃんと理解できねぇからそーいうんじゃねぇの?少なくとも俺は分かるよ本職だからな?それが』

「……。」

『ならお前は彼氏を作りたくなくて作ってねぇの?
人を信じたくないわけ?
信じたいけど信じれないんじゃねぇの?
彼氏を作りたいけど怖いだけだろ?
でもその恐怖って自分が悪いの?なに?したくてそーしてるわけ?』

「……。」

『違うだろ?
人を信じたくない訳でもないしその恐怖ってわざとでもなんでもないと思うけど?それがウザイの?
それって自分を守るために身体がそうなってんじゃないの?人は誰だって自分を守りたい…事故防御なんじゃねぇの?』

「……。」

『お前は頑張ってるよ?
仕事行ってんじゃん?行けねぇ時もあるけど行ける時はちゃんと。
ちゃんとさ?咲優のこと信じてんじゃねぇの?
俺の事も信じようと頑張ってんじゃねぇの?俺にはそう見えるけどな?それってウザイの?キモイの?なに?』

「……涙」

『咲優は俺はお前が頑張ってること知ってる』

「……涙」

『必死に生きようと自分の居場所探してんじゃねぇの?』

「…でも…」

『でも…?』

「何も進めてない…ずっと怖いまま…
何も頑張れてない…」

『それってハードル高すぎなんじゃね?
別に周りと同じを目標にしなくてもよくね?
まずは1つずつ目の前のことから目標にして進んでけばいいんじゃねぇの?』

「誰もはづのことなんか…見てないよ…」

『見てるよ?俺は…お前は頑張ってる。
頑張ってるよ?咲優は俺は見捨てない、ウザイともキモイともめんどくさいとも思わないそれも含めて全てが葉月だから』

「……涙」

『その全てを含む葉月って人を支えたい助けたい一緒にいたいと思う人が絶対にいる。そんな人と友達にカップルに夫婦になれればいい。一緒に乗り越えて行けばいいと思う。鬱やパニック障害、適応障害など精神疾患ってすぐに治るものじゃないそれを治すのには何年も何十年もしくは死ぬまで付き合っていくことになる。でもその病も含めて全てが葉月って人なんだろ?それも個性なんじゃねぇの?』

「……涙」

『俺は咲優は助けたいと思うよ?お前のことを』

「……うざくないの…」

『ウザくねぇよ?俺は葉月よりも酷い人も軽い人も沢山見てきたし今も見てるじゃ全員ウザイ人なのかよ…全員生きてる意味ないやつか?』

「違う…かも…」

『だろ?案外お前が気づいてないだけでお前の事を心から支えてくれるやつはすぐそこにいるぞ?少しずつでいいし進めばいいんじゃねぇの?病気と一緒に生きてくためにどーすればいいか逃げるんじゃなくて考えて行けばいいんじゃね?それは1人でじゃなくて周りと一緒に』

「……ねぇ…どーしたらいいの…」

『そのままでいいんじゃね?
なりたい自分目指してそしたらそのありのままの葉月を好きって思ってくれるやつは必ずいるからそいつとこれから先共に過ごせばいいと思うけどな?それは友達も彼氏も旦那も同じくちゃんと理解ある人が入ればそれでいいと思う全員が全員理解出来るわけねぇから』

「…ゆぅ…ま…くん…
はづを…1人にしないで…彼女が出来ても…」

『笑。
今のところ彼女作る気ないなぁー?1人にしようなんて思ってねぇよ?』

「…うん…」

『落ち着いたか?
お前はひとりじゃない』

「…うん…」

『なぁ…開けて』

「え…」












玄関をあけると



「なん…で…」

「な?ひとりじゃないだろ?」

「…涙」



抱きしめられる…あったかい…



「な?わかってくれる人が必ずいるから
泣くな」

「…涙」

「葉月はひとりじゃない。今度遊びに行くか?気晴らし」

「なんでいつも…はづに優しくしてくれるの…?」








「友達だからかな?」


「友達…」



















友達…





理解をしてくれる友達がいる







すぐに治るけでもない
治るかも分からない


この恐怖とこれから先向き合っていく為に












友達の理解










ってありのままの自分を見てもらうって大事なのかもしれない