怖い……やだ……



初めての感覚が襲ってくる

なにこれ……
息ができない……



「ハァハァハァ……ハァハァ……」

「だ……大丈夫か?
体調……悪かった?」


違う……違う……
え……どーすればいいの……
どーしたら息できるの?

え……怖い……
このまま死んじゃうの?



「え……大丈夫か?
ど……どーすりゃいいわけ?」




あの日から
また同じ様に息が出来なくなるんじゃないか死んでしまうんじゃないかと恐怖で気持ちは不安になるばかり


あの先輩からは後日
「お前めんどくせぇ
何あれ?お前病気なの?なに?」

「あ……いや……」



いやあたしが聞きたい
あれはなにと聞かれ、めんどくさいと言われ思い出すあの記憶



またあたしあーなるの?
不安がやって来る……



あ……ダメかもしれない
まただどーやって息すればいいんだっけ?





もぉわかんないよ





「またかよ?
まじめんどくせぇ
もぉ戻ってこなくていいから部活」



え……待ってよ……
助けてよ……

あたしこのまま死んじゃうの?







気づけば保健室にいた




「何かあった?」

「いえ。何も」

「そう?無理は禁物よ?」

「はい」






あれから外に出るのも怖くなって外に出れなくなった
学校に行くことも怖くて家に引こもるようになった




食欲もわかないし
遊ぼうとも思わない
何もせず布団に潜る日々




それを2ヶ月過ごしたある日



「葉月ー!」

「なに」

「一緒に病院行かないか?」




うちの家は
父、母共に海外にいる。

一緒にいるのは年の離れたおにぃちゃん。


おにぃちゃんには彼女がいてこの前も家に遊びに来ていた

仲も良くて夫婦みたいな2人そんな2人に憧れを持っていた

でも今は
怖い……


おにぃちゃんはと言うと大学を卒業後精神科の先生に
そこで今の彼女と知り合ったんだと



「行きたくない」

「ちょっと見るだけじゃん?」

「外に出たくないし出れない」

「ちょっと出てみるのもいいかもよ?」

「やだ……」




怖いんだ

みんながあたしを見て笑ってるように悪口を言ってるように感じる

道行く人みんながあたしを……


めんどくせぇ……
キモイと……




「おにぃちゃんと行こうよ?
おにぃちゃんがみてあげるし、な?行けば薬も出せる
ゆっくり直そうよ?
それ病気だよ?」

「……。」

「ほら大丈夫だから
とりあえず玄関まで行ってみよう?」

「……うん……」




お前はキモイ……
めんどくせぇ……
あんたみたいなやつ……




やだ……やだ……
やめて……




「ハァハァハァ……ハァハァ……ハァハァハァ」


「葉月!?
大丈夫。大丈夫だからゆっくり……ゆーっくりね」



また迷惑かけてる
やっぱりあたしは迷惑なんだお荷物なんだ……